陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
「幸姫がいないたぁどういうことだ、小十郎」

眉間に何本もの皺を刻みながら、政宗は聞いた。

「起床して、様子を見に行ったときにはもぬけの殻で…幸姫自身の着物も無くなっておりました」

小十郎の言葉に、政宗はため息をついた。


幸姫…あれほど俺の傍を離れるなと言っておいたというに…


不意に玲子の顔が浮かんだ。

「…っ!?」


まさか、あいつまで真田の所へ行ってはいまいな…


思わずギリッと歯を食いしばった。

「探せ。なんとしても見つけ出して連れ戻せ!」

そう言うと、政宗は外出用の着物に着替え始めた。





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