陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
勝手知ったるなんとやら。
昔から何度も訪れたことのある小十郎の家の中を歩く。
厠を通りすぎ、小十郎が先程、一瞬立ち止まった部屋の辺りまでやってきた。


あの様子、何か俺に隠しているのな。


昔から自分の側にずっといた。秘め事の1つや2つ、あってもおかしくないが、喜多まで一緒になって、何かを隠しているというのは少々気にくわない。

ふう、と息をつくと、そっと部屋の中の気配を外から伺ってみる。


…特に気配はない、か。


そう思ったが、妙に気になって仕方がない。


政宗は思いきり襖を開けた。




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