陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
「…幸姫」

小さく呟かれたその声に、幸姫はふと顔をあげる。
そして同時に、自分が抱きついていたことに気付き、顔が真っ赤になった。

「なに?」

必死に何事もなかったかのような顔をして聞く。

「…いや、何でもない」

小太郎は微笑みながら言うと、手をそっと伸ばして幸姫を抱き寄せた。

「こ、こた!?」

声が思わず裏返る。

「もう離さん。お前は必ず俺が護る」

小太郎の言葉に、目を覚ますまでずっとうなされていたことを思い出す。


あ…もしかして、北条のことを思い出してたのかな…


「…そうだよ」

小太郎に身を預ける。

「だから、勝手にいなくならないで」

小太郎の腕に力がこもる。

「…あぁ」




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