陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
「こっちが聞きたいくらいよ。第一気がついたらここに連れてこられてたし…」

深いため息をつきながら続けた。

「第一、ここどこよって感じ」

すると突然、少し離れた場所から声がした。

「本能寺」

その言葉に、思わず眉がピクリと動いた。

慶次はすっと頭を下げ、少し脇に寄った。一緒にいたはずの女の人の姿は、いつの間にか消えていなくなっていた。

現れたのは、信長と濃の姿。
小太郎が、私を隠すように、自分の後ろへと引っ張った。

「ここ、本能寺なの…?」

恐る恐る聞くと、嬉しそうに笑いながら、信長が答えた。

「それがどうかしたか?」

信長に言われて、私はキュッと唇を結んだ。

「それよりも慶次よ。お前がなぜ此処にいる」

「たまには秀吉の顔が見たいと思って寄ったんだが、いないようだったんでね。少し散策してたのさ」

聞かれてシレッと答える。

「ふむ、猿ならば今は中国に向かって出たところだ」

「…ついに毛利を討つのか」

慶次の言葉に、思わず信長を見た。





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