陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
陽のあたる場所で

大切なもの

気がつくと、今となっては見慣れた天井があった。
起き上がると、誰かが手を握っているのに気づいた。
座ったまま寝ている、政宗だった。

「…大丈夫か?」

「うん…」

政宗に言われて、私は小さく頷いた。


あの後、暴れる私を、政宗と佐助が無理やり本能寺から連れ出した。
どうやら間一髪だったようで、本能寺から脱出した瞬間、大きな音を立てて、あの建物は崩壊した。

真っ赤な炎に包まれたそれは、黒い煙を、いくつもの星が流れる夜空へ、吐き出すかのように、ガラガラと音を立てて崩れていった。

暫くの間、私はその場から動くことが出来なかった。
小太郎と信長が飲み込まれていったそれをただ、見つめることしか出来なかった。


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