陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
焼け落ちた本能寺跡からは、不思議なことに、遺体と呼ばれるものはでてこなかったそうだ。
小太郎のことを、ちゃんと供養してあげたいと思っていたのだが、遺体が出てこなかったということは、きっと、どこかで生きているんだと私は信じて、供養ではなく、小太郎の無事を祈ることにした。

「起きるか?」

政宗に言われて、私は頷いた。
一緒に部屋を出て、少し、庭を散歩する。

信長が死んでから、情勢は一気に変わり、秀吉がぐんぐんと頭角を現している、ということだった。

少しだけ肌寒い外を散策していると、政宗がそっと、自分の方へとひきよせてきた。私はそのまま、政宗にもたれかかった。


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