陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
雪も溶け、地面からは小さな植物の芽が顔を出し始めた。

「ほらほら!今日はあんた主役なんだから!こんなとこにいるんじゃないよ!」

「ちょっとおはるさん、あんた、なんて言っちゃだめだよ」

「そうだよ。なんてったって我らの主様に嫁ぐんだから」

「本当に…幸せになるんだよ」

ばたばたと急がしそうに動き回るおはるたちに、幸姫は笑った。

「今まで通りでいてよ。それになんかさ…落ち着かないっていうか」

何か手伝いをと手を出そうとしたときだった。

「幸姫!あなたここに居たんですか!?」

バシッと勢いよく襖が開いた。

「支度があるから早く来なさいと言っていたでしょう!」

鬼のような形相の喜多に連れられて、幸姫は台所を出て行く。

「呼んでくれてありがとうね、楽しみにしてるよ!」

そう言って、おはる達は笑いながらまた、調理に取り掛かった。


< 506 / 524 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop