陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
太陽が昇り、朝露にぬれた草木が、キラキラと輝いていた。

「まぁ、幸姫ったら、どこにいたの」

ふぅ、とため息をつく愛姫に、私は苦笑いする。

「早く支度をしなくては。政宗様が首を長くしてお待ちよ?」

そう言って、ほら、座りなさい、と鏡の前に座らされた。

「今日はうんとおめかししてあげるから」

そう言うと、数人の女中達が、メイクに髪のセットにとせっせと取り掛かる。

「姉上」

襖の後ろから声がする。

「そちらはどうです」

喜多が聞くと、小十郎は問題ありません、と答えた。

「準備は整っております。客人達もみな集まっております」

「そうですか、こちらももう少しです」

喜多が言うと、では、と小十郎はその場を離れていった。


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