陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
「それにしてもすごいね。結婚式挙げるのに何日もかかるなんて」

言うと愛姫が首を傾げた。

「ケッコン…?」

慌てて言い直す。

「あぁ…えっと、祝言?今日もなんだよね?」

結婚式なんて普通1日(大体半日くらい)だと思っていたのに。
本来であれば、家に迎えにいって~などなど、いろいろなしきたりがあって、大体3日はかかるらしいのだが、幸姫の身内と呼べる人物が居ないため、その辺りは省略して、内輪だけでの宴会があり、さらに今日はお披露目の儀というものをもようされるらしい。

「今日も白無垢?」

喜多に聞くと、喜多はいいえ、と笑った。

「今日は政宗様から送られた色内掛けよ」

そういって女中達が持ってきたのは、色鮮やかな内掛けだった。

「わぁ…」

思わず見とれてしまう。
綺麗な緑を基調とした、金や銀で刺繍の施された見事な内掛け。

「って…え?政宗から…?」

驚くと、愛姫はふふっと笑った。

「政宗様があなたを娶るのだもの」


…結納品ってこと?


私は驚いた顔で、内掛けを見つめていた。

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