陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
「わかっている」

ポツリと政宗が呟いた。
小十郎は喜多の後ろ姿を見つめながら、小さなため息をついた。

「…政宗様。先ほどおっしゃられたこと、本気なのですか?」

少しの沈黙の後、小十郎が小さな声で聞いてきた。

「なんだ、言いたいことがあるなら言え」

幸姫の頭を優しく撫でながら、政宗が言うと、小十郎は覚悟を決めたように姿勢をただした。

「…その者は、玲子ではございませぬ」

小十郎の言葉に、政宗の動きが止まった。

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