陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
出すぎた真似をしているということくらい、重々承知していた。

…だが、玲子が政宗様ではなく、真田の若侍を選んでからというもの、政宗様の様子がしばらくおかしくなっていたことを思うと、どうしても、口を挟まずにはいられなかった。


愛姫様のもとへ寄り付こうともせず、ふらふらと町を歩き回っては、花街へと繰り出す毎日。
そして、いつも決まって選ぶ女は、玲子に似た娘ばかりだった。

玲子の身代わりとして選ばれた女たちは、みな、すぐに政宗様に捨てられる。
そして、政宗様ご自身も。
そんなことをしている自分に、まるで嫌悪し、戒めるかのように。
まるで痛めつけるように剣の稽古をし続ける。


わかってはおいでなのだ。
誰も、玲子の身代わりになどなれないことを。

そして、玲子が手に入らないことも。


半ば自暴自棄ともとれるような生活を送る政宗様をみてきたからこそ。
また。
同じようなことにならないでほしいと、私は思うのだ。


小十郎は、ぐっと唇をかみ締めながら頭を下げた。


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