陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
政宗様が我が屋敷に泊まるときは、いつも決まって、月明かりの見える2階の部屋だった。

いつもの決まった部屋。敷かれた1組の布団を見つめながら、小十郎はまた、深い溜息をついた。


…なぜ今になって、あのような者が現れるのだ。


正直、そう思わずにはいられなかった。
最初会った時はすぐに玲子と幸姫が似ているとは感じなかったし、思わなかった。思っていればきっと、何があっても自分の屋敷に入れることもなかっただろうし、なんとしても、政宗様と会うことを阻止しただろう。


たぶん、あいつは…


なんとなく、幸姫と玲子の関係については察しがついていた。
が、それにしては、幸姫の年齢が計算に合わない、と、小十郎は思っていた。


どう見ても、玲子と同い年くらいだろう。
政宗様に会う前の子だとすれば…
そうなると玲子は一体、何歳なんだ?


そう思い、頭をふるふると横にふった。


いや、居ない人間の事をあれこれ考えても仕方がない。
今は幸姫と政宗様をどうにかしなくては。


頭を抱えながら、小十郎は政宗の元へと戻っていった。


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