陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
大きな掌が、優しく頭を撫でる。
それがくすぐったくて、気持ちよくて。
幸姫は思わず顔が緩んだ。

「…綺麗な髪をしている」

思わぬセリフに、そうかな?と少し照れながら幸姫は答えた。
綺麗な長くて黒い髪。小さい頃は、いつも玲子が丁寧にとかしてくれていた。近所の人たちに、綺麗な髪だと褒められるのが嬉しくて。物心ついたときからずっと伸ばし続けていた。
母親譲りのこの髪は、私の自慢だった。

「アリガト」

少し照れくさそうに呟くと、ふわっと風が2人の間を吹き抜けていった。

「わぁ…綺麗な月。満月かな」

目の前の窓から見える夜空に、幸姫は体を乗り出して見つめた。

「今宵は綺麗な月が見えるな」

幸姫の横に、そっと立つ人物を見て、幸姫は一瞬動きが止まった。


ま、政宗…!?


なんで政宗がそばにいるのか、そもそも、一体どういう状況なのか。

わけがわからずパニックになりかける。


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