陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
あ……


政宗の目から、涙が一筋。
幸姫はそっと、涙を拭った。

「なんだ?」

少しだけ驚いたような表情をする政宗に、幸姫は苦笑いしながら、何でもない、と答えた。

頬に触れている幸姫の手に、政宗はそっと自分の手を重ねた。


な…何っ!?


顔が赤くなっていくのがわかった。手を離そうとしたが、政宗はぎゅっと幸姫の手を握り、離そうとしない。

「離してよ…」

政宗顔が見れなくて、消えそうなくらい小さな声で、俯きながら呟いた。
照れ臭いとか、恥ずかしいとか。
けれどそれ以上に、緊張している自分がいて、幸姫の心臓は鼓動を徐々に速めていった。


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