恋の説明書
「さあさあ、入ろうぜ!!」
蒼真に促されて、コイツの家に入る。
「あら!伊織君、久しぶりねぇ!!立派になっちゃって」
そこへコイツの母親が出迎える。
コイツの家族とは小学校の頃からの付き合いだ。
「お久しぶりです」
ペコリと頭を下げる。
俺は、東京の大学へ進学した為、棗や棗の母親とは9年振りだ。
蒼真は、顔つきやテンションの高い所は母親似だなと思う。
棗は写真でしか見たことないけど、父親似だと思う。
なぜなら、棗が生まれたばかりの時に亡くなったらしい。
小太りで棗に似ていた。 だけど、すけどすごく優しそうな人だった。
「伊織君、棗にはもう会ったかしら?あの子ったら帰ってきて早々部屋に閉じこもっちゃったのよー」
蒼真の母親の言葉を聞き、さっきの出来事を思い出し今更ながら後悔する。
アイツには昔から、思ってもいないことを言ってしまい傷つけてしまう。
「早速、喧嘩しちゃったんだよなー」
すると、蒼真が横やりを入れる。