恋の説明書
「なっ、なんであんたが!!」
夢中になっていたゲームのコントローラーを放り出し、この男を問い詰める。
「用もないのに、おまえの家に来る分けないだろ」
「用ってなんなのよ」
すると男は、あたしの部屋を見定めるこのように眺める。
「色気も糞もねぇ部屋だな。漫画とゲームばっか」
むかっ!!嘲笑うかのようなこの男の顔がムカつく。
「余計なお世話だ!!てか、無視すんな」
「そのうち分かるって」
そう言い、あたしが放り出したコントローラーを握る。
「おまえ、こういう男が好きなんだ。なんだよ、このくっせぇ台詞」
「あんたに関係ないでしょ!」
くっ!告白シーンを侮辱なんて!!
すると、あろうことか男は告白を断る選択肢を勝手に押したのだ。
「…そうか、君にはもう好きな人がいるんだね。幸せにね」
ロミオ様は心痛そうな笑顔を残し去っていった。
「………」
う、嘘でしょ…。
あたしのテンションはどん底に下がった。
セーブしないのに!
「な!なんてことしてくれんのよ!!」
カッと目と口を開いて、男の胸倉を掴み喚く。
「おまえみたいな女地味な男で充分だろ。それに、ゲーム如きで必死すぎなんだよ」
「うっ!うるさい!!ふざんけんな、出てけ馬鹿!!」
半泣き状態で男を無理やり、部屋の外へと追い出す。
男は驚いたような顔をしてたけど、おもいっきりドアを閉めてやる。
バタン。