恋の説明書
こーゆう女と関係を持ったことないし。
俺のまわりにやってくる女にこうゆうタイプの女はいない。
すると女は俺の考えに気づいたのか、クスッと笑う。
「あら、同級生の顔忘れちゃった?ちなみに、あなたと関係持ったことはないわよ」
「同級生?」
同窓会なんか出てないし、高校を卒業したのだって10年前だ。
ピンと来ない。
「香川 志保。ピンとこない?」
香川…思考を巡らせる。
「もしかして、あんた副会長?」
「やっと、思い出してくれた?ひどいわ、高校時代あんなに仲良くやってたじゃない」
生徒会長と副会長の香川に俺と蒼真は目をつけられていて、不純異性交遊とやらで生徒会室にしょっちゅう呼び出されていた。
「そんなの仲良くとは言わねーよ」
高校時代はお堅い地味な女だったけど、化けるもんだな。
「あら、そう?それよりあの子なんでしょ?あなたが本気になれなかった理由」
「は?」
眉を寄せるけど、香川はニヤニヤとしている。
「あの子の名前を聞いたら分かっちゃった。あなたが唯一付き合ったことも」
「…相変わらず、食えない女だな」