恋の説明書

こーゆう女と関係を持ったことないし。


俺のまわりにやってくる女にこうゆうタイプの女はいない。


すると女は俺の考えに気づいたのか、クスッと笑う。


「あら、同級生の顔忘れちゃった?ちなみに、あなたと関係持ったことはないわよ」


「同級生?」


同窓会なんか出てないし、高校を卒業したのだって10年前だ。
ピンと来ない。


「香川 志保。ピンとこない?」


香川…思考を巡らせる。

「もしかして、あんた副会長?」


「やっと、思い出してくれた?ひどいわ、高校時代あんなに仲良くやってたじゃない」



生徒会長と副会長の香川に俺と蒼真は目をつけられていて、不純異性交遊とやらで生徒会室にしょっちゅう呼び出されていた。


「そんなの仲良くとは言わねーよ」


高校時代はお堅い地味な女だったけど、化けるもんだな。



「あら、そう?それよりあの子なんでしょ?あなたが本気になれなかった理由」



「は?」


眉を寄せるけど、香川はニヤニヤとしている。


「あの子の名前を聞いたら分かっちゃった。あなたが唯一付き合ったことも」



「…相変わらず、食えない女だな」



< 43 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop