あの音をもう1度
「お、お袋…そいつと知り合いなわけ?」
楽兄が涼太を指差した。
「知ってるもなにも楽も知っているでしょ?あの鈴宮音楽メーカーのご子息よ」
お母さんはフフッと笑った。
え、えっと・・・・
確か鈴宮音楽メーカーって・・・
「…なるほど。それで俺のことも知っていたのか」
楽兄は1人納得した。
「昔はよく涼太くんのご両親と仲良くしてもらってね」
「僕は記憶ありませんけど、あの天才ヴァイオリンニストと
言われた詩乃さんにお会いできて光栄です」
2人ともにこやかに話している中、私は1人記憶を探っていた。
鈴宮音楽メーカー…鈴――…
あっ!