あの音をもう1度
だって信じられない。


あんな有名な人が今私の隣にいるなんて…




すると涼太はフッと笑った。


「…あぁ。あと、御曹司とかやめろよな。柄じゃないし」




う、うそー…



ただ者じゃないとは思っていたけど、まさか凄い会社の息子だったなんて。


今日1番びっくりした。




--でも、それなら全ての謎が解明する。


私を探しだしたことも、転校出来たことも…





「じゃあ俺帰る。ちゃんと詩乃さん達に話せよ」



「う、うん…」


涼太はポンッと軽く私の背中を押して帰って行った。





そうだ。


さっきのことで忘れてたけど、2人に話さなきゃいけないんだよね。



“ピアノ”のこと。





「…よし!」



私は覚悟を決めて、家のドアを開けた。














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