あの音をもう1度
いつもの私らしくないな…
今から行くって考えるだけで嫌になる。
しかも今日は楽兄が静からだから余計に…
「・・・・なぁ、奏」
黙っていた楽兄が私をチラッと見た。
「な、なに?!」
緊張といきなり話しかけられたせいで少し声が裏返ってしまった。
「・・・・俺は奏が大切だ」
えっ…
なに?…いきなり・・・・
真面目な表情だから、いつもの調子が狂っちゃう。
「だから奏には幸せになってほしい。だから奏にはいつも笑顔でいてほしい。それが俺の幸せだ。
頑張れなんて言わない。
けど・・・・笑って帰ってこいよ」