あの音をもう1度
コンクール本番! 輝ける場所
“パチパチパチ…”
大勢の拍手がステージの裏にいても、よく聞こえる。
次は私の番。
あれから私は呼ばれるまで廊下の椅子に座っていた。
涼太の言葉の答えを探すように…
ううん。違う。
本当は、その答えはすでに私の心の中にある。
ただそれを私は気付いていないフリをしていただけ。
私の望みは―――
「音梨さん。お願いします」
「はい」
スタッフに呼ばれて立ち上がって歩き出した。
自分の足で――。
あの・・・・7年前逃げ出した場所へ――