あの音をもう1度
「楽兄、この人と知り合いなの?」
お互い名前呼び。
しかも私に抱きついた人とはいえ、楽兄が他人にここまで暴言を吐くなんてすごく珍しい。
「あ?…あぁ。多喜とは元同級生なんだよ。で、お袋の元生徒」
「えぇっ?!お母さんの?」
でも、お母さんは私が生まれる前から子供たちにヴァイオリンを教えているし、あり得るかも。
「そ♪そこで僕は奏ちゃんを見たんだ」
バルトニアさんは立ち上がりながらウインクした。
ハーフだからか、やけにキザっぽいι
「楽は昔から奏ちゃんLOVEだからね~。なかなか見せてくれなくて…
でも、幼い奏ちゃんを偶然見たときに僕は直感したんだ!
この子こそが僕の運命の人だ!ってね!!」