あの音をもう1度
「どうした?奏」
「あ、あの…なんで私宛ての案内が涼太のところに届くの?」
普通は私の家に届くはずだよね?
「あ、‥あぁー…。まぁ、な」
そう言って涼太は私から目線を逸らした。
なんか、あやしい・・・
「また、なにか隠して…!」
「それよりも、奏!これに出るのか?出ないのか?」
え、えっと・・・
突然、話を戻されてしまった。
確かにコンクールも当分の間ないし、たまには競い合いなしで公の前で弾くのもいいよね。
「うん!でる!」
「決まりだな。じゃ、早速曲目決めますか」
次の目標はチャリティーコンサート!
だけど・・・
この出来事が悲しい別れのきっかけになるなんて、
この時の私も涼太も知らなかったんだ--