あの音をもう1度
本当、涼太のおかげだね・・・
「奏!」
「あ、涼太」
やっと涼太が戻って来た。
「わりー…、奏。帰り送れなくなった」
そう申し訳ないように手を合わせた。
ピアノの練習を始めてから家まで送ってくれるんだけど、最近になってたまに用事って言って帰ることが増えた。
用事ってなにかな?
聞きたいけど、なんか聞きずらい。
「う、ううん。全然大丈夫!」
「とりあえず俺も曲目探しておくから」
そう言われて涼太と別れた。
「---と言われても…」
全然、いい候補が思い浮かばないー!
手当たりしだい探す時間もないし…