あの音をもう1度
***
「・・・それでは、失礼します」
「あぁ」
そう言って男は出て行った。
「はあ~…」
受け取った書類を机に置き、窓の外を見た。
高校、大学と仕事の手伝いをしていたからか大学を卒業した俺には、オヤジはある程度のイスを用意していた。
といっても社会人新人の俺は毎日大量の書類に追われ、いろんな重圧も重なり疲労は倍以上。
正直逃げ出したくなる。
けど・・・
俺は机に置いてあるパソコンの画面を見た。
そこには1人の女性とフランス語の文字。
「奏・・・・」