あの音をもう１度

『行ってきます！』




そう言って大切な彼女が旅立ってから４年という月日が流れた。



あれから１度も会っていないどころかメールや電話も一切していない。



別にそう示し合わせたわけじゃないが…きっとお互いが目標に向かってまっすぐ頑張るだめだと直感した。




奏は向こうのコンクールに出ては賞をとって、確実に力をつけているらしい。



そして、その情報をネットで見ることが今の唯一の一方的なつながり。







－－－なぁ、奏。



お前が行ってから４年が過ぎたぞ。



あの時、蕾だった桜が今では満開に咲いている。



もちろん気持ちは変わらないしずっと待っているが･･･



ただ一つ。