赤い糸は意外な所に・・・
「なあ、涼之助はんは、家を出るとき不安とかはなかった?」

「いや別に。それよりも早く家を出たいという気持ちが強かったし。」

「女子なのに?」
「あ、なぜ家を出たかったかというと・・・。」

涼は自分が家を出たいと思った理由や小さいころから男子のするような遊びばかりしていたことを話した。

「・・・という感じで、私はあまり女子らしくなくて、周りからは男女って。・・・可愛いってこともほとんど言われなかったんだ。」

「そうなんや・・・でも、うちは涼之助・・・いや、お涼はんは可愛いと思うんよ。」

「え・・・そんな、私のどこが・・・。」

「女子の姿したら、普通の女子よりもきっと綺麗や。髪も綺麗やし。・・・それに・・」

「それに?」

「一人ぼっちになったうちに声かけてくれた優しさもあるけんね。だからうちは・・・」
そこまで言った途端。朝弥の目つきがすこし変わった。

「お涼はんが・・・。」

「え・・・な、何?」

「・・・ちょっと御免!」

そういうと朝弥は涼に触れたかどうかわからないくらいの口づけをした。

「・・・・!!!」

「あっ・・・もう、寝よ。」

お互い気まずいまま二人とも眠りに就いた。



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