赤い糸は意外な所に・・・
やがて、夕餉を終え、風呂にも入った。そしてあっという間に就寝時間。涼は何故か時々慣れない場所では眠れないという癖があって、この夜もこっそり外に出ていた。涼は朝弥と話したあの夜のことを思い出し、今回は一人でいた。

「・・・なんか一人って久しぶりかも。」

しばらくして、涼はかなり遠いところまで歩いてきてしまったことに気がついた。

「あー、ちょっと遠いところまで来てしまったかも。・・・ん?誰かいる?」

少し離れたところに男らしき人影が見えた。多分酔っぱらいであろう。足元がふらついている。涼はその男の姿が見える前に、戻ろうとした。が、

「・・・なあ、兄ちゃん一人?」

「!!・・・なんですか?」

「ちょっとこっち来ないかい?」

(こいつ、もしや衆道の趣味がある!?・・・やばい!!)

「私、急いでいるので。」

「いいじゃねーか。少しくらい。なあ。」

そう言うと男は、涼の腕を掴んできた。

「っ!離せ!この酔っぱらい!!」

涼は男の急所を蹴って逃げようとしたが、意外とかわされてしまった。

「あんた腕細いな~もうここでやっちまうか!?」

男は、涼を押し倒した。

(やばい・・・!!)

涼が目をつぶった瞬間、急に自分の腕を掴んでいた男の手が離れた。そして、悲鳴のような変な声が聞こえた。男が去ったあと、涼の目の前に立っていたのは、








朝弥であった。



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