赤い糸は意外な所に・・・

心の内

涼が一人旅を始めて早くも二カ月・・・三人はいまだに再会できないでいた。

(・・・ふう。一人になって、もう二ヵ月?我ながらよく朝弥達に見つからなかったものだ。ま、乞食同然の生活をしてきたし気づくわけないか。・・・二人ともどうしているかな。風八は家に帰ったかな?朝弥はどうしたんだろう?・・・朝弥、か。そういえば一人になってからずっと、あの夜の夢を見てしまう。なんでだろう?・・・私は朝弥が・・・好き?なのかな・・・。)

しばらくぼ~っとしていると、うしろから声をかけられた。

「兄ちゃん!一緒に握り飯食べる?」

「ん?辰次か。いいぞ、どこで食べるか?」

涼はこの地に来て早々、町人の息子の辰次と知り合いになった。辰次は五人兄弟の長男のため、涼のことを女とは知らず、兄のように慕っていた。辰次の弟妹達とも今ではすっかり顔なじみである。少し間をおいて辰次が口を開いた。

「・・・なあ兄ちゃん。」

「ん?」




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