赤い糸は意外な所に・・・

旅立ち

「涼、速い!もう少しゆっくり歩いてくれよ!」

「風八が遅いだけだろ。っていうか私は涼じゃなくて涼之助!」

「だってあまり寝てないもん。っていうかどうでもいいだろ今は。」

「それでも武士の子か!どうでもいいってお前・・・!」

そんな言い合いをしながら二人は旅を続けていた。行先は特に決まっていない。やはりそういうところは子供である。次の日には山城(京都)の入り口の宿で朝を迎えた。

「涼、起きろ。もうすぐ午の刻だぞ。」

「・・・・うそ!不覚にも寝過した!?」

「ククク・・・馬鹿、まだ今は卯の刻だ。」

「なっ!!風八、お前・・・!」

「そう怒るなって、もうすぐ飯だし、遅くなったらいけないと思ってな。」

そう言う風八に文句が言えなくなってしまった涼であった。


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