赤い糸は意外な所に・・・

謎の人物

涼と風八の旅に朝弥が加わって、早くも五日が経った。その日の昼、涼がこんなことを言い出した。

「あのさ、もう京には五日ぐらいいる気がするからさ、そろそろ別の場所に行かない?」

「うちは賛成や。せっかくの旅やしいろんなとこいかんとな。」

「俺もいいと思うぞ。俺、大和に行きたいけど良いかな?」

「よかよ~うちも大和行きたいわぁ。」

「それじゃ、決まり!・・・だけど、大和ってどの方向にあるんだっけ・・・。」

『・・・・』

「・・・君たち、もしかして大和への行き方知らないのかい?よかったら教えようか?」

「!・・・どなたです?」

「いきなり失礼。俺は嵐野雷次(アラシノライジ)。それと、足元で動いてんのは犬の竜(リュウ)。俺あちこち旅しているから結構地理には詳しいと思うよ。」

「・・・そうですか。ではあなたを信用しましょう。ちなみに私は白鶴涼之助。こいつは甥の風八と旅仲間の朝弥。」

「そうか。見たところ、三人ともまだ子供って感じだな。ま、それよりさっそく教えようか大和への道のりを」
そんな話をしていると、雷次の名前を呼びながら駆けてくる人影がいた。

「ちょっとお、速いわよ雷次!もう少しで見失うところだったじゃない!」

「あ・・・悪い、仙。紹介が遅れたが、俺の旅仲間の仙(セン)だ。」
「何勝手に話を進めているの!・・・この子たちはいったい誰?」
雷次は仙に今までのことを話した。

「なるほどね・・・なんか皆可愛いわね。」

「嬉しいわ~!!」←朝弥

「俺、男なんだけど」←風八

「・・・・。」←涼
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