飴色蝶 *Ⅰ*

彼の全て

貴方に、逢いたくて逢いたくて

堪らない時は逢えなくて・・・

もう逢わない方がいいと
決めた途端に貴方との距離は
縮まるのね。

神様は、何て意地悪なの?

会社の同僚達と仕事帰りに
久しぶりに、カラオケへ行き
日頃の鬱憤を発散して別れた
帰り道
   
お酒にほろ酔い気分の私は
一人駅へと向かっていた。
   
そんな、私を呼び止める声
がした。

「お嬢さん・・・」

高級車の後部座席の窓が開き
中に会長の姿が見えた。
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