飴色蝶 *Ⅰ*
私達の席が、彼女の登場で
一瞬にして華やかになる。

「お話の途中に、お邪魔しても
 宜しいかしら」

そう言って彼女は、私の隣に
座った。

間近で見る彼女は、気品に
満ち溢れ、可憐で優雅

とても美しい人だった。

同じ女である事が恥ずかしく
思える程に、彼女の動作の
ひとつひとつが女である事を
全身で表現していた。

「何のお話?」

「彼女はイオリと高校の先輩
 後輩の間柄らしい」

「まあ、イオリさんの・・・」

「アイツは学生の頃、どんな奴
 だった?
 相変わらず無口で
 近寄りがたい奴だったかな」
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