飴色蝶 *Ⅰ*
「はい、確かにそういう面も
 ありましたが
 イオリ先輩の周りには
 いつも人が絶えなくて先輩は
 いつの間にかその中心にいる
 って感じでした
 
 私なんて、ただの後輩なので
 あくまでも外から見ていた
 雰囲気しか分かりませんけど
 ・・・・・・」

会長は、お酒を飲む手を止める
ことなく次々にグラスを開けて
いく。

豪快な飲みっぷりを見ている
こちら側が酔ってしまいそうな
程に。
 
「あの顔だ
 女にはもてただろうなぁ」
     
「はい、学校中の女生徒の
 憧れの的でした
 
 いつも、たくさんの取巻きの
 女性に囲まれて
 決まった彼女がいても
 先輩の事を好きだという
 女の子達には次から次へと
 手を出すと有名でした」

会長は、声高らかに笑う。


< 112 / 488 >

この作品をシェア

pagetop