飴色蝶 *Ⅰ*
私は、とても見ていられなくて
音を立てないようにお店の外へ
出た。
      
「イオリ、どうしてここに?」

「俺の携帯に、お店の女の子
 から電話をもらった
 おまえが会長に殴られて今
 店で倒れてると・・・」

腫れる朱莉の頬に

庵は優しく触れる。

私、本当は見たくなんて
無かった・・・

貴方が彼女の元へ駆け寄って

彼女を抱きしめる姿なんて

見たくなかったよ。

だけど、あんなにボロボロの
彼女を放っておけなかった。
        
貴方が愛してる人だから・・・
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