飴色蝶 *Ⅰ*
ボタンに手をかけた私に
彼は吐き棄てる。

「無理しちゃって・・・
 
 俺、遊べない
 
 女はいらない」

そう、本当の私は
彼が言うように

馬鹿が付くほどの
真面目人間なのだ。

その頃の私は

男性と夜を

共にした経験
 
ううん

キスを交わした経験すら

一度も無かった。

庵は、菫に近づき
彼女の唇にキスをした。
 
それも、ディープキスを

< 13 / 488 >

この作品をシェア

pagetop