飴色蝶 *Ⅰ*
「カナメは、自分から言い出し
 たんだ、お前が組に入ると
 分かった時、お前の下に
 付かせて欲しいと・・・
 
 この組の連中は皆兄貴の男気
 に惚れた奴ばかりの集団

 兄貴の息子である
 お前の為なら、皆
 命をかけてお前と組を守り
 内部抗争など起こり得ない
 ・・・・・・
 兄貴が組を去った後
 ここを抜けた伊納さえも
 ・・・・・・」

庵は、黙って俯いた。

「ところで、ここからが今日
 お前をここへ呼んだ本題だ
 
 イオリ、お前は今
 女に現を抜かしている場合
 じゃない
 女を作るなと言うんじゃない
 絶対に本気にはなるな
 極道に惚れられた、その女も
 不幸になるだけだ
     
 シュリとは、別れるんだ
 分かったな」

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