飴色蝶 *Ⅰ*
「鉢合わせも何も無いな・・・
 きっと奴ら俺達が来るのを
 首を長くして
 待っていたんだろう
     
 しかたがない、俺が行く
 カナメ、親父にはまだ
 この事は話してないな?」

「はい」
 
「俺が話をまとめて帰って来る
 親父には言うな
 俺から話す
 お前は、事務所を頼む」

「シバの奴が戻ったら
 俺もすぐに向かいます」

新しくできたBARとは
思えない程に店内は荒れ果てて
凄まじい喧嘩をした後が伺えた

「兄貴、わざわざ、すみません
 こんな所まで」

庵は、若衆の肩に手を置いた。

伊納組の一人が庵の前に立つ。
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