飴色蝶 *Ⅰ*
「寄せ、可愛い組員の為に
 親が動くのは当たり前
 
 そんな事よりも、この店から
 手を引いてくれないか
 ついでに、ここら辺りからも
 出てってくれると有難い
 今日からここは俺達の縄張り
 になったとそちらの親分さん
 に話して頂きたい
 
 いや元々、このシマは伊納組
 のもの
 そろそろ、返してもらおうか」

「幾ら、組長さんたっての願い
 でも、それはできない
 
 もともと、このシマが伊納組
 のものだって笑わせないで
 くださいよ
 
 高月組から、勝手に抜けた
 あんた等にお情けで
 
 ほんの少しのシマを与えて
 生かしてくださったのが

 高月組の親分
 
 飼い猫の分際で粋がるのは
 やめて頂きたい」
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