飴色蝶 *Ⅰ*
「いい加減、目を覚まして
 以前の、お前に戻るんだ

 人を、愛さなかった頃の
 オマエに」

電話を切った後

庵は頭を抱えた。

『シュリ

 俺は
 
 お前が分からない』

ほんの束の間

羽を休めた蝶々は

また、愛を探し求めて

飛び立って行くのか?         
      
『・・あなたを愛していない』

菫の声

聞こえる・・・

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