飴色蝶 *Ⅰ*
新しい一歩を踏み出した

私の行く手を阻むように
     
今朝は強い雨が降り

ズボンの裾を濡らしていく。

そして、足首に纏わり付き

私を開放してはくれない。

雨が強く傘を打ち付ける音に

掻き消されるように

着信音が、鳴り響く・・・

「すみれ、ごめん」
  
電話越しに聞こえる貴方の声

泣いている?
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