飴色蝶 *Ⅰ*
「どうしたの、イオリ
 何かあった?」

「妹が死んだ事
 誰かに聞いてほしくて
 そう思ったら
 お前に電話してた
 
 すみれ、お願いだ
 今日だけでいい
 俺の傍にいて・・・」

彼は今、意味も無く
高校の最寄り駅の
プラットホームにいると言う。

どうして、駅なんかに

・・・まさか。
 
「そこで待ってて
 すぐに行くから
 絶対に早まらないで・・・」

後で思うと

彼が命を絶つ事などあり得ない
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