飴色蝶 *Ⅰ*
私は、彼の前にそっと立ち

肩に手を置いた。

「イオリ・・・」
 
彼は、子供のように私の腰に
強く両手を回して甘えてみせた

貴方は、ずっと

誰にも弱音を吐けずに
  
苦しんでいたんだね。
 
「泣いてもいいよ
 二人だけの秘密にしよう」

「ありがとう」

彼は、肩を震わせた。

愛しい人

貴方の為なら

私は

何だってしてあげられる。

だから、どうか

悲しまないで。

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