飴色蝶 *Ⅰ*
男勝りな妹さんを、いつも
御両親が心配されていて

ある日
彼女に父親が怒ったそうだ。
 
『嫁の貰い手が無くなるぞ』
  
この私も、親に一度は
言われた事がある。
   
「そしたら、シオリの奴

『結婚なんてしない
 お兄ちゃんに、ずっと
 面倒みてもらうからいい』

 なんて言い出す始末で・・」

ここで、庵の言葉が詰まった。

「ずっと、あのまま
 眠り続けていてもよかった
 んだ
 
 生きていてくれるなら俺が
 ずっと面倒見てやれたのに

 お兄ちゃんって、俺の後を
 追いかけて来て

 正直、うるさくて
 うんざりした日もあったけど
 言われなくなると
 寂しいもんだな・・・」

庵の頬を、涙が流れた。
 
「情けねえな、俺」


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