飴色蝶 *Ⅰ*
貴方が愛しているのは

私では無いのに・・・

わたしじゃない。
   
私は知っていて

彼の口づけを受け入れた。

離れた私達を沈黙が包む

私は、彼にキスの意味を
問う事はしなかった。

庵は、今、普通の精神
じゃない・・・
     
きっと、寂しさから

私を求めただけ・・・
 
夜になれば、彼女の元で
眠りにつく。

「行こうか」

「どこへ」

庵は、私の手を取って
改札口を抜けた。
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