飴色蝶 *Ⅰ*
外はもう、雨が止んでいた。

手を繋いで歩く、この道は
学校へと続いていた。

私は制服を着て、この道を恋人
と歩く事を夢見ていた。

いつか、私も・・・
 
『先輩と一緒に歩けたら
 どんなに幸せだろう』

今、私は貴方と手を繋ぎ

この道を歩いている。

でも、心が締め付けられて行く

あの時と、何も変わらない。

私はずっと、貴方に

片思いのまま・・・

私は、校門が見えた頃
繋いだ手を解いた。
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