飴色蝶 *Ⅰ*
私は近くの公園に一人、立つ。
 
庵は、缶ジュースを手に
私へと歩み寄る。

「座ろう、そこ、濡れてる
 はい、これ」

「ありがとう」
  
ジュースの缶を開けて飲む私に
庵は言う。

「俺、お前のこと告白される前
 から知ってたよ
 
 電車に乗っているお前は
 大人しいのに学校で見掛ける
 お前は、無理に明るくしてた」

「知っていてくれたの
 私の事?」

「あんなに露骨に見られてたら
 気がつくさ
 
 無理して、人に合わせてる
 お前を見て

 いつか壊れるんじゃないか
 そう思った」

貴方が、私の事を見ていて
くれたなんて・・・
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