飴色蝶 *Ⅰ*
私の片思いの時間も

無駄じゃなかった。

私は嬉しくて、つい笑みを
こぼしてしまう。

「どうした?」
   
「うれしくて、本当の私を
 イオリが見ていてくれた
 それなのに・・・
 私は、あなたの上辺しか
 見て無かったね
 
 そんな私に、あなたを好きだ
 なんて言う資格無かった」

照れながら、庵は言う。

「俺は、嬉しかったよ
 お前の言葉」

そう言って席を立ち、ゴミ箱に
缶を捨てた。
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