飴色蝶 *Ⅰ*
「イオリ
 聞かせてくれてありがとう
 
 もう、これで本当に貴方の事
 吹っ切れたような気がする
 
 私、今度はもっと上手な恋
 をするね」

菫の笑顔は、とても綺麗で

庵は見惚れた。

雨がまた、降り出した。

傘を差そうとした私の手を取り
雨の中を二人で走る。
  
坂道を、爽快に駆けていく。

彼の背中を見つめて

私の恋心に

さよならを告げた。

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