飴色蝶 *Ⅰ*

好きにしていいよ

電車に揺られながら窓の外
遠くを、じっとみつめる
彼の横顔は寂しく、時に
思い出したように辛い表情
を浮かべる。

そんな彼を、一人にはできない

湿った服を着替えたいと言う
彼に付き添って

私は初めて彼の部屋へと入る。

こんな広い部屋に

たった一人きり・・・
  
私なら、寂しくて堪らなくなる

庵は、湿ったジャケットを
ソファーに置いた。

「ごめん
 シャワー浴びていいかな
 着替えたら、車で送るよ」
   
私は、頷いた。
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